プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスとともに、「3大テノール」の一人として知られるオペラ歌手、ルチアーノ・パバロッティさん(享年71歳)の葬儀が8日、パバロッティさんの故郷であるイタリアの北部モデナの大聖堂で行われた。葬儀には、プローディ・イタリア首相や、国連のアナン前事務総長、アイルランド出身のロックバンド「U2」のヴォーカル、ボノさんをはじめ、各界の著名人らを含む数千人が参列した。
ロイター通信によると、6日夜からから葬儀までの3日間に市民ら10万人以上が教会に訪れ、パバロッティさんのひつぎの前で別れを惜しんだ。
パバロッティさんは35年にモデナに生まれ、61年にレッジョ・エミリアの劇場でデビュー。ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で72年2月、ドニゼッティの歌劇「連帯の娘」で高い音域を何度もこなし、その名を世界に知らしめた。
90年のサッカーワールドカップ(W杯)・イタリア大会では、前夜祭でプラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスとともに、「3大テノール」公演を実現。その後も94、98、02年のW杯で共演した。
最近では、06年2月のトリノ冬季五輪の開会式に登場。得意のオペラ「トゥーランドット」の名場面「ビンチェロ」(誰も寝てはならぬ)を大胆に歌い上げ、スタジアムから大歓声を浴びた。
07年6月に膵臓がんと診断されて手術を受けたが、同年9月6日、膵臓がんのためモデナの自宅で死去した。