【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)は26日、同性愛者のカップルにも教会が配慮するよう促す文書を発表した。今年10月5〜19日に「家族」をテーマにバチカンで開かれる世界代表司教会議(シノドス)臨時総会に備えたもの。各国司教協議会に求めたアンケートの回答を受けて作成した。
臨時総会は「福音宣教との関連から見た家庭の司牧的問題」を協議するためのものだが、今回の準備文書は、同性婚については「男女による結婚の再定義には反対」としながらも、「過激な対応」を戒めている。同性婚が認められている国では「多くの信徒が同性婚者に対して偏った態度を取るべきではないと考えている」と記している。
さらに同性愛者のカップルが養子を取ることには反対を表明したものの、教会からの回答のほとんどが「同性愛者カップルが子どもの洗礼を求めた場合には、他の子どもと同様の配慮を受けるべきだ」と主張している。
教皇フランシスコは、同性婚を認めないカトリックの教義を維持しつつ、同性愛者差別には反対する立場。今回の文書は、同性婚を法律的に認める国が増えている現状を踏まえ、同性愛者を排除しない姿勢を示したと言える。