――ゴスペルシンガーズのメンバーとはどのような交流を?
フェローシップナイトという交流会では、エコゴスのメンバーが食事を用意して晩餐をともにしました。彼らのために日本語で「主を仰ぎ見て」を合唱したのですが、それを聴いて5人のアメリカ人が号泣したんです。「プレイズブレイク(Praise Break)が起こって、涙が止まらなくなった」と言っていました。
決してスキルはない私たちの賛美、日本語のゴスペルが、何十年もワーシップリードしてきた彼らの心を強く動かしたことに、インパクトを受けました。日本語でも英語でも関係ない、言語は関係ない、聖霊の働きと思わされました。彼らも日本語の賛美に興味を寄せて、今は日本語の歌詞でレコーディングもしているそうです。
彼らのほとんどが、最初は日本にそれほど関心がなかったのではないかと思うのですが(笑)、今ではすごく日本を愛するようになってくれている。それがよく分かるので、彼らの変化にも感動します。ゴスペルシンガーズは今年9月にまた来日する予定です。彼らはおそらく旅費や滞在費が自分の持ち出しになっても来てくれると思います。ぜひ、多くの人に聴いていただき、彼らの熱い信仰の賛美に触れてもらいたいです。
――岡田さんの信仰と、ゴスペルとの出会いは?
両親は広島と岡山の出身で、母はミッション系の音大で宗教パイプパイプオルガンを学びました。結婚して受洗した母は、今も世田谷区の深沢教会(日本基督教団)で教会ピアニストをしています。母に連れられて私も3歳から14歳まで深沢教会に通い、中学2年の時に洗礼を受けました。
父はメーカーに勤め、実家は長く続いている神社でした。結婚後の父は、母に教会に行ってほしくないという思いがあったようで、当時、深沢教会の近所にあった家から別の地区に引っ越すことを勝手に決めてしまったんですね。でも、母はめげずに幼い私と妹の手を引いて、1時間半かけて教会に通い続けたんです(笑)。
10代の数年間、アメリカのニュージャージー州に住み、現地のバプテスト教会に通い、フルートやピアノで礼拝奉仕していました。そのころ公開された映画『天使にラブソングを 2』を観て、ゴスペルシンガーのローレン・ヒルのように、いつかクワイアで歌いたいと思ったりもしました。
日本に戻り、青山学院大学で英文学を学びました。リック・ウォレン牧師の『人生を導く5つの目的』を読んで衝撃を受けたのは20代中盤のころでした。自分のパラダイム(価値観)は小さなもので一面的だったと思わせられました。大学を卒業するころは就職氷河期で、どちらの方向へいけばよいのか、他の皆さんと同じく悩みました。祈りの中で、アメリカと日本の橋渡しやコーディネーターの仕事に興味を持つ自分がいました。現在は、アメリカのビザの手配をする仕事をしています。
社会人になり猛烈に忙しい毎日だった7年前、自宅から近い聖書キリスト教会で Megさんのワークショップが始まると知って参加しました。ゴスペルには何かあると思えたのは「なぜだか分からないけど涙が出てくるんだ」というノンクリスチャンたちの多くの証言でした。「ゴスペルで救われる人はたくさんいる」と Megさんから聞いて驚きました。
ゴスペルで大切なのは、異なる思いや音色を「ワンボイス」(一つの声)にしていくことだと思います。賛美を通して、みことばを通して、思いがくだかれ、一つになり、愛されていることが分かる。神様が私たちに語りかけてくる。
ゴスペル活動によって私自身が癒やされ、回復し、たくさんのストーリーを体験し、私の人生はドラマチックになりました。クワイアの多くのメンバーがそれを体感しています。神様は私に10年前「地域に仕えなさい」とおっしゃいました。「神様はこのために、過去いろいろな経験をさせてくれたんだ」と確信しています。
エペソ人への手紙、5章19節には「詩と賛美と霊の歌とをもって語り合い、主に向かって心から賛美の歌を歌いなさい」というみことばがあります。私には、音楽的素養や技術はありません、しかし、コーディネートをしたりアシストする「つなぐ」賜物はあるかもしれません。メンバーはそれぞれ得意な賜物を持っていて、お互いがお互いを補え合えるのです。
ワークショップもクワイアも一人だけでは決して成り立ちません。しかし、一緒に体験する仲間がいる。詩と賛美と聖霊の中に、グルーブが生まれるのです。ゴスペルを通して、一人でも多くの人に生かされている喜びを伝えたいと心から願っています。
今年も秋に、米サドルバック教会からゴスペルシンガーズが5人来日します。ぜひ、このワークショップにお越しください。また、応援のお祈りをよろしくお願いいたします。
【インタビュー】ゴスペルクワイアリーダー 岡田知子さん: (1)(2)
※下記サイトに9月のワークショップの詳細が掲載されています。
■ 江古田ゴスペルクワイア
http://ekoda-cc.com/egc
■ サドルバックゴスペルワークショップ・フェイスブック
https://www.facebook.com/saddle2014