クリスチャントゥデイの編集会議で、クリスチャントゥデイの目的や記事を書く基本的な態度を、「主のしもべ仲間」(黙示録22:8、9)の5人で話し合っているとき、40年近く前、太郎を里子として私たちの家族に迎えた時の決断を改めて思い出しました。
青梅キリスト教会牧師家庭に、当時5歳であった太郎を里子として迎えるに当たっては、それなりの課題があり、その全部に明快な回答が与えられたわけではありませんでした。そうした現実の中で、太郎を家族の一員として迎える決心に導かれるため後押ししてくれたのは、新約聖書ロ-マ人への手紙12章15節の勧め・励ましでした。
「喜ぶ者といっしょに喜び、泣く者といっしょに泣きなさい」
太郎の生涯において、太郎が喜びを経験するとき、心からいっしょに喜ぶ者となりたい。喜びの時に、いっしょに喜ぶ者がいないとしたら、どんなに寂しいことか。
何ができなくとも、真に一緒に喜ぶことができれば、その一事さえあれば、他の不足は乗り越えられるのではないかと、ロ-マ12章15節の「同喜同泣」が決断の根拠となったのです。
そうです。クリスチャントゥデイの記者各自が取材に当たり、何をいかに書くにしても、なぜこの事実をこのような表現で記述するのか、心の奥深くに持つ執筆動機また執筆態度は、まさにロ-マ12章15節の勧め・励ましにあるのではと素朴に考え、発言したのです。
「喜ぶ者といっしょに喜び、泣く者といっしょに泣きなさい」。同喜同泣こそ、本来の人間、人間らしい人間になる道、真の人となられたイエス・キリストの道。この道を、小なりとは言えクリスチャントゥデイの一員として歩みたいのです。
(文・宮村武夫)