【CJC=東京】パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長(大統領)とイスラエルのシモン・ペレス大統領は6月8日夕、教皇フランシスコの招きを受けてバチカン内の庭園で会談、共に平和への祈りをささげた。教皇はイエス・キリスト生誕地ベツレヘムで5月25日に行ったミサでアッバス大統領とペレス大統領を平和への祈りに招くと表明していた。
会談には、教皇フランシスコの招きで、コンスタンチノープルのエキュメニカル総主教バルソロメオス1世も参加した。
米CNN放送によると、ペレス大統領は、「平和が遠く離れて見える時でも、それを近付けようと希求しなければならない」と指摘、アッバス大統領は「主よ、聖地、パレスチナとエルサレムに平和を」「パレスチナとエルサレムがすべての信者にとって安全な地となり、祈りと礼拝の場となりますように」と祈りの言葉を述べた。
教皇は今回の会談について、敵としてではなく兄弟姉妹として生きたいという人たちの願いに応えたと述べ、「これが我々を結び付けるものへの旅となり、分断の克服に向けた旅となることを願う」と語った。
会談後、アッバス大統領とペレス大統領は互いの頬にキスを交わし、教皇、バルソロメオス1世と共にオリーブの木を植樹した。
今回の会談は、暗礁に乗り上げた和平交渉の前進を目指し、教皇がペレス、アッバス両首脳に開催を呼び掛けて実現した。両首脳は象徴的存在としての性格を強めているものの、教皇と共に両氏が祈りをささげたことで、中断している和平交渉再開に向けた機運の高まりも期待される。