【CJC=東京】タルチジオ・ベルトーネ枢機卿(79)が、バチカン(ローマ教皇庁)内のサンタ・マルタ館の隣接する建物の最上階に、700平方メートルの住居を新築中とイタリア紙ラレプブリカが報じた。自分と家事に従事する尼僧4人のための「ついのすみか」という。
このニュースが英テレグラフ紙などによって紹介されると、広すぎ、豪華すぎる、と反発の声が高まった。枢機卿は、司教職にあったジェノヴァ大司教区のサイトに、新居は伝えられた規模の半分の350平方メートルだと明らかにし、高位聖職者にとっては普通のものであり、教皇の承認も得ている、と書き込んだ。
教皇フランシスコは「聖職者のぜいたくや見栄」を厳しく戒め、「貧しい教会」を訴え、バチカン宮殿内の十数室からなる専用住居は、1人には広すぎると、普段は教皇選挙のために世界中から集まる枢機卿の宿泊施設として1996年改築したサンタ・マルタ館に住んでいる。教皇は、食事も宿泊者と同様、セルフサービスの食堂で済ませている。
同枢機卿は2006年9月から13年10月まで、教皇に次ぐ地位とされるバチカン市国国務省長官を務めた。