ロシア正教会の教会渉外部長であるイラリオン府主教が、ウクライナ南東部のドニプロペトロウシク州ドニプロペトロウシク地区にある都市ドニプロペトロウシクの出入国管理局で拘留された。ウクライナ宗教情報サービス(RISU)が11日に報じた。
75歳の誕生日を迎えたウクライナ正教会モスクワ総主教庁系のドニプロペトロウシク・パヴログラード府主教イリネヤ座下のお祝いに参加しようと、ロシア正教会のキリル総主教の祝福を受けて、イラリオン府主教は5月9日にドニプロペトロウシクに到着していた。
イラリオン府主教は自らのウクライナ入国を禁止する正式な通知書を受け取った。その禁止の理由は何も知らされなかった。
ウクライナに入国できなくなったイラリオン府主教は、ドニプロペトロウシク空港の出入国管理局でイリネヤ府主教に対してキリル総主教からのメッセージを朗読し、高位の教会賞を授与した。
RISUが13日に報じたところによると、モスクワ総主教庁シノッド情報部はイラリオン府主教の入国禁止に関する次のような公式声明文を発表した。
ウクライナの国民が厳しい試練にさらされ、一方でロシア正教会が同国の平和と協調を達成し、対立している両側の間に対話を確立し、暴力をやめさせるためにできる限りのことをやっている状況の中で行われたウクライナ当局の決定は、極度の困惑と深い遺憾をもたらすものである。
イラリオン府主教の訪問は、ウクライナ正教会で最も傑出し誉れ高い府主教の一人であるドニプロペトロウシク・パヴログラードのイリネヤ府主教の75歳の誕生日のお祝いに合わせたものであった。モスクワ及び全ロシアのキリル総主教聖下の個人的な代理人として、モスクワ総主教庁教会渉外担当部委員長は奉神礼に参加するはずであった。その間に彼は総主教からのお祝いのメッセージを朗読し、誕生日を迎えた府主教に高位の教会賞を授与するよう指示されていた。ドニエプロペトロフスクの空港で発展した状況の中で、これらの義務を旅券管理局で果たすしか他に残されたなすすべはなかった。
ロシア正教会は、ウクライナを含むさまざまな国々で、そして自らの全ての地域で、さまざまな政治的信条を持つ何百万人もの正教会の信徒たちをまとめている。当教会はウクライナにおける政治的および市民の対立を宗教的な面にもっていこうとするいかなる試みをも断固として非難するとともに、当教会の平和の宣教を制限しウクライナの市民の対立を克服する努力を妨害する行為に対し、総主教を代弁して断固たる抗議を述べるものである