北京市内で3日に行われた天安門事件(1989年)に関する集会に参加した学者や弁護士らが相次いで連行され、一部は現在も拘束されていることがわかった。
NHKなどが6日伝えたところによると、参加者には、人権弁護士の浦志強(ほ・しきょう)氏や、中国を代表する改革派知識人の徐友漁(じょ・ゆうりょう)氏らがいたという。浦氏は6日に身柄を拘束されたほか、徐氏は連絡が取れない状態が続いているという。
集会は非公開で行われ、天安門事件の被害者遺族による「天安門の母」のメンバーら数十人が参加した。報道によると、4日深夜以降、参加者が相次いで当局から呼び出しを受けたという。
天安門事件は来月4日で25周年を迎える。今回の集会も25周年を迎えて開催され、事件の真相究明や犠牲者への賠償などを訴えたという。各紙は、事件25周年を前に、中国当局が締め付けを強化しているという見方を伝えた。
天安門事件:1989年4月15日に中国共産党の改革派指導者・胡耀邦(こ・ようほう)元総書記が死んだのをきっかけに、民主化を叫ぶ学生デモが激化。学生を中心とした一般市民のデモが北京の天安門広場に集まったが、同年6月4日、中国人民解放軍がデモ隊を武力弾圧し、多数の死者を出した。中国共産党の発表では死者数は319人とされているが、数百人から数万人に及ぶという諸説がある。