クリスチャン小説家・三浦綾子(1922〜1999)の小説『泥流地帯』の舞台となった北海道・十勝岳の豊かな四季を収めた写真展「馬場和美展〜『泥流地帯』の舞台・十勝岳を望む〜」が、5月11日(日)から同24日(土)まで、北海道旭川市の三浦綾子記念文学館で開催される。
北海道中央部には、大雪山系と呼ばれる十勝岳を含んだ広大な高山帯がそびえる。その大雪山系が大雪山国立公園として指定されてから今年で80年目。北海道写真協会旭川支部長である馬場さんは、これまでその豊かな自然をコツコツと撮り集めてきた。そして、今回、80年という節目の年にこの写真展を企画した。
かけがえのない自然が豊かに残る大雪山系ではあるが、その中の旭岳、十勝岳は活火山。今でも噴火の可能性がある。十勝岳は89年前の1926年(大正5年)5月に大規模な噴火があり、死者・行方不明者144人を出した。この開拓に携わる人々の苦悩と、十勝岳の噴火の惨事をテーマにしたのが、三浦綾子の『泥流地帯』だ。
馬場さんは、「再び大噴火の惨事が起らないことを願いつつ、一時見せる自然の美しさ素晴らしさを、朝な夕なに見つめ、心に残るその素晴らしい姿を自由に切り取ってきました」と言う。
展示作品数は約30点。料金は入館料(大人500円、高校大学生300円、小中学生100円、小中高生は土日無料)のみ。同文学館のホームページには入館料の割引クーポンも掲載されている。開館時間は午前9時から午後5時まで。写真展中の休館日は12日と19日のみ(ともに月曜)。場所は、同文学館の1階中央ホール。