20年以上にわたるイスラム教徒との内戦の後、2011年にアフリカ東部のスーダンから分離独立したキリスト教徒の国、南スーダン。しかし、サルヴァ・キイル大統領とリエク・マシャール前副大統領の政治的対立をめぐって昨年12月中旬から戦闘が続いている。戦闘が始まってからこれまで殺された人々は、3月現在で約1万人にものぼるという。
カトリックとプロテスタントの教会指導者たちからなる南スーダン教会協議会(SSCC)は、4月13日に首都ジュバで、創世記4章9節に基づき「私は弟の番人だ、今こそ戦争をやめよ!」と題する声明文を発表し、戦闘をやめて真剣な和平交渉を開始するよう強く求めていた。
しかし、21日、国連は反政府勢力が先週、何百人もの南スーダン人や外国人の文民を殺したことを確認したと発表した。国連は「無実で非武装の」文民をねらうのは直ちにやめるよう求めている。
「今の状況は軍事的な手段では絶対に解決できません。代わりに戦争はそれを長引かせ、望ましくない状況へとさらに悪化させるのです。したがって、戦争をしている勢力は個人の野心よりもこの国の国民の利益を第一に優先すべきなのです」と、南スーダン教会協議会はスーダン・トリビューン紙に引用された声明文で述べた。
「私たちは戦争をしている勢力に対し戦いをやめるよう求めるとともに、国際社会に対し、財産を破壊され立ち退きを余儀なくされた人たちに必要な支援を行うのを助けるよう求めました」と、南スーダン教会協議会は同声明文で述べた。「この紛争が勃発して以来、彼らの生活の糧が与えられていないのです」
声明文は、南スーダンが独立したときの投票に言及し、「この国の国民が投票したのはこんな未来のためではありません。彼らは自由で独立した国家を望んだのです。彼らは平和と静穏、そして兄弟姉妹・神の民としてお互いに対する愛のうちに生きるために投票したのです」としている。
「私たちは、自国の指導者たちが権力の座に昇格しあるいは権力を保持しようと、戦争や暴力を政治的な相違を解決するための手段として利用する傾向に意気消沈しています。私たちはアディスアベバでの和平会談が遅れ進展がないことを悲しんでおり、また私たちはこの国の内外で紛争勢力によって現在進行中の武力動員や、平和よりもむしろ戦争が迫り拡大するだろうという予想に慄然としています」
なお、「ハンガーゼロ活動」として、南スーダン共和国での学校給食や教師育成を行っている、キリスト教に基づく援助団体、日本国際飢餓対策機構は、21日、「内戦拡大で平和が脅かされる南スーダン」という見出しの記事で、支援者に平和の祈りを呼び掛けた。