内戦が続く中央アフリカ共和国。米タイム誌(電子版)が4月7日付で伝えたところによると、同国から3月に米国を訪問して同国の対立と妥協について語ったキリスト教とイスラム教の3人の最高指導者たちが、今週、今度は逆に米国の宗教・政治指導者たちを中央アフリカ共和国で迎え入れたという。
同誌によると、中央アフリカ共和国のこれらの宗教指導者たちは、同国の全人口の52%を占めるプロテスタントを代表する中央アフリカ共和国福音同盟のニコラス・グエレコヤメ・グバンゴウ牧師、同15%を占めるイスラム教徒を代表する中央アフリカ共和国イスラム共同体会長のオウマール・コビネ・ラヤマ師、そして同29%を占めるカトリック教会を代表する首都バングイのディエウドンネ・ンザパラインガ大司教。
その記事の中で、これらの宗教指導者たちは、「去る3月以来、何千人もの人たちが死に、100万人を超える人たちが自らの故郷から逃げ、人口の半分を超える人たちが援助に依存するようになってしまった。倒れた人たちをたたえる最も良い方法は、持続可能な平和を見つけ、この国を再建することだ。私たちが、宗教指導者として、自国民の心を癒すために働く一方で、私たちは自らの脆弱な民主主義を支えてくれるよう、国際社会を頼りにしている。私たちは、自国を再建するのを助けてくれるよう、アメリカの友人たちを必要としているのだ。中央アフリカ人が再び平和と調和のうちに暮らす国という自らの展望が実現できるように」と語ったという。
この時の米国側代表者は、米国福音同盟(NAE)、米国カトリック司教協議会とカトリック救援サービス、北米イスラム協会、米国の国連大使や下院議員、米国大使や米国政府高官など。
一方、世界福音同盟(WEA)は3月14日、中央アフリカ共和国の状況に深い憂慮を示すと同時に、国内・国際的なメディアが同国における危機の根源がキリスト教徒とイスラム教徒の宗教対立であると誤って解釈し、それによって同国の宗教的緊張の火に油を注いでいるとして、これに憂慮を示した。
なお、同国では、米国のカトリック救援サービスが、カトリックの援助・福祉団体であるカリタスと協力して、暴力によって故郷を追われた人たちに食料や医療品の提供や保護を行っている。日本では、キリスト教NGOである日本国際飢餓対策機構の駐在スタッフが、3月19日から26日まで同国からの難民に対し、コンゴ民主共和国北部との国境近くにあるボヤボ難民キャンプで緊急支援を行った。また、国連UNHCR協会や日本ユニセフ協会も支援活動を行っている。