南米エクアドルHCJB放送局からの短波ラジオ放送「アンデスの声」を通して、約40年間にわたって全世界に福音の知らせを届けてきた尾崎一夫牧師が26日、HCJBワールドオフィスのある東京・淀橋教会で講演した。短波ファンも駆けつける中、米シカゴから来日した尾崎師は、「信仰は、人知を超えた神の力と働きに触れるところから始まる」「自分の足りなさをありのまま認める、その決断がすべてを変える」と聖書の御言葉を説いた。
日本に一大BCL(*1)ブームが起こった1970年代、「アンデスの声」は当時の中高生を中心に全国でリスナーを獲得。当時リスナーからエクアドルへ送られた便りは、月平均5000通にも上った。77年に新潟で開かれたBCLファン大会では、集まった1000人もの学生が尾崎師の語る福音のメッセージに耳を傾けた。
エクアドルからの番組放送は00年に中断したが、リスナーからの番組再開の声に支えられて昨年6月3日、HCJBオーストラリア局より定時日本語放送を再開。現在も短波15.525MHzで、毎週土、日曜の午前7時半から30分間の番組を放送している。
「深みに漕ぎ出して、網をおろして魚をとりなさい」(ルカ5:4)―ペテロは、イエスの御言葉に従順し、網が破れそうなくらいのおびただしい魚を得た。尾崎師は、まさにイエスから召命をうけて未開の地、南米エクアドルという「深み」に漕ぎ出して始まり、ブラジル全土の福音化と日本の福音宣教に大きく貢献したラジオ伝道の働きも「主ご自身がなさった」と告白し、栄光を神に帰した。
尾崎師は、「神の前で自分がどれだけ無力かを体験させられたとき、信仰が芽生える」と語り、絶望の中にあるときにこそ、人知をはるかに越えた神の力にかけて「もう一度立ち上がること」が必要だと強調した。
(*1)Broadcasting Listening / Listener。海外放送聴取者。