現在全米で合計すると少なくとも8000はあるとされているマルチサイト教会の増加が最近目覚ましく、一般信者の参加が多く、一箇所の場所で礼拝する教会よりも新しい信者を惹きつける傾向があることが、リーダーシップ・ネットワークによる調査でわかった。
「より多くの教会がマルチサイトを目指し続けるでしょう。伸びていくための道具というよりは、教会を持ち出し、より多くの人に訴えていく手段として、健全な教会を他の場所で再現するための手段なのです」と、ウェブセミナーで語ったのは、リーダーシップ・ネットワークの研究・知的資本開発部長のウォレン・バード氏だ。
マルチサイト教会の定義は、全体としては1つにまとまった指導者と予算を持ちながら、2つ以上の場所で信者が集まる教会だ。
バード氏は報告の主要ポイントを要約し、マルチサイト教会は過去10年間の間にこれまでで最大の成長をみせたと指摘。そのため10人に1人の信者がこのようなマルチサイト型教会に引き寄せられることも頷けるという。
マルチサイト教会になるには通常全体の出席者が少なくとも850人いることが望ましいが、報告によれば、出席者が1000人を超えた段階で複数の場所に拡大する教会が多いという。
バード氏によれば、調査の対象となったマルチサイト教会の約半分がもっと早い段階で追加のキャンパス(枝教会)を開いていればよかったと報告したという。彼らの多くは出席者が1500人になった段階で、複数の場所に広がっていった。
「理想的な人数、あるいは転換点となる人数というのはあるのでしょうか。マルチサイトになったとき実は自分達が『マルチサイトにするには少なすぎた』と言っている教会は、平均して、出席者450人でマルチサイトに移行しています」とバード氏。
さらに付け加えて「年々、教会がマルチサイトに移行する段階が早くなって来ています。つまり、より少ない人数でマルチサイトに移行しているということです。将来的にはおそらく、最初から2つの場所で集会を開く教会も現れるかもしれません」
また報告で分かった別の点は、拡大したキャンパスの規模は、主体となる教会の全体出席者数の2パーセントから25パーセントまで幅があるということだ。例えば、1万5000人以上の教会のいくつかは全体出席者数の2、3パーセントの人数で別のキャンパスを開くことができると答えた。1つの場所に350人程度ということだ。
しかしながら、バード氏はこれらの平均値には様々な要因が関係していると指摘する。
「新しいキャンパスとして成り立つ出席者率は、主体となる教会の全体の人数に比例して変わります。ですから、5パーセントとか10パーセントとか、全ての教会の規模に合うような一般的な数字を出そうとするよりも、各教会の全体的な規模に合わせたパーセンテージを出す方がよいのです」とバード氏。
教会の伸びについても、マルチサイト教会の平均的な増加率は14パーセントであり、マルチサイトに移行する可能性も教会の大きさと共に大きくなっていくものだと、バード氏は言う。
「私がマルチサイト教会の傾向を追う限り、調査で確実になったと言えることは、教会が大きければ大きい程マルチサイトになる可能性は高いし、キャンパスの数も礼拝の数も多くなるということです」
リーダーシップ・ネットワークは、調査に際し、そのマルチサイト教会のネットワークを活用した。12カ国、535の教会から有効な回答を得て、そのうち91パーセントはアメリカ国内、その他カナダ、イギリスなどの国で、全部で信者数は1800万人に上る。