「人々は、ソーシャルメディアを通して、家族や友人から信頼できる情報を得る傾向がある。ニュース記事などのリンクも例外ではない」。全米宗教放送協会(NRB)の集会開会式で、フェイスブック政策部長がクリスチャンのメディア専門家たちにこう語った。
NRBの集会のはじめに行われた基調講演で、政治関係者のフェイスブック活用援助を担当するケイティ・ハーバス氏は、「残念ながら人々はテレビやラジオ、新聞、その他様々な組織の宣伝をあまり信用しなくなっています。しかしその情報が家族や友人から来ると、それを信頼します。フェイスブックは、ますます、人々が新しい情報や組織を見いだす場となってきています。友人のペットの写真や赤ちゃんの写真、旅行先の写真を見るために利用しているのは確かですが、それをしている間に、ニュースや情報も同時に得ているのです。記事の見出しやリンクをクリックして見ているのです」と説明する。
同氏は、この新しいテクノロジーの時代に、ある組織のホームページが、一番多くのアクセスを得る場とは限らないと指摘する。「皆さん(メディアやミニストリー)がソーシャルメディア上で人々を誘う先は、友人同士が共有したり、語り合ったりしている、問題を取り上げた記事や、裏ページの情報なのです」と語る。
ハーバス氏は、映画製作者でメディアコンサルタントのフィル・クック氏が司会を務めたソーシャルメディアについてのパネルディスカッションで、このように説明した。クック氏はディスカッションを始めるにあたり、「クリスチャンメディアは、インターネットでの存在感、ブログ投稿、その他あらゆるデジタルメディアについて考える時、今年は、何に焦点を当てるべきかを知っておくことが重要だ」と述べた。
パネルディスカッションには、米クリスチャン活動支援団体「LifeWay」の研究担当長エド・ステッツァー氏と米フロリダ州でキリスト教の学びや訓練を提供する「Ligonier Ministries」のクリス・ラーソン代表も参加した。
ラーソン氏は、参加した数百人のメディア専門家たちに向かって、「なるべく多くの人々に福音のメッセージを語り続けるよう求められているのは、あなたたちです。イエスがフェイスブックページを持っていて、みんなが『いいね!』ボタンを押しているだけでは不十分です。それでは弟子訓練とは言えない。そうではなく、将来どんな手段が現れようが、それがフェイスブックであれ、インスタグラムであれ、どんなドットコムであれ、全てのソーシャルメディアに注目して、それが使われている意味を理解しなければならない」と語った。
「インターネット上には、たくさんの小悪魔が潜んでいる。たくさんの好ましくないものが載っている。それはインターネットの問題ではなく、人間性の問題なのです」と言う。
「人に入るものが人を汚すのではなく、人から出てくるものが人を汚すのです。それが人を汚し、それがインターネットを汚すのです。そういう訳で(クリスチャンメディアに携わる)全ての方々に対し、悪い言葉を口にせず、人を造り上げるのに役立つ言葉を語るよう求めたいのです」と訴えた。
NRBは、同集会の正式な開会日の前日に、「デジタルメディアサミット」を初開催した。関係者によれば、このサミットはツイッター上で、特にクリスチャンの団体を代表するソーシャルメディアの専門家たちの間で人気を集めたそうだ。NRBは来年の集会でも同じサミットを開催する予定だ。