仮想通貨ビットコイン(Bitcoin)の大手取引所である「Mt. Gox(マウント・ゴックス)」が、ビットコイン約74万4000万枚(約3億6700万ドル=約375億円)を失ったとする文書がネットで広がりを見せ、同取引所を使用している投資家に多額の損失がでる懸念が高まっている。
インターネット上には、「危機戦略原案」という未確認の文書が出回っており、そこにはマウント・ゴックスが、顧客のビットコイン74万4408枚を「鍛造性に絡む窃盗」により失ったことが記されている。また、マウント・ゴックスが、1億7400万ドルの債務を抱えており、資産が3275万ドルであるとも記されている。
この文書の真偽や同社の状況を確認しようと、大手メディア数社がマウント・ゴックス側に接触を試みているが、これまでのところ明確な返答はないようだ。
マウント・ゴックスは今月7日から、「異常な活動」(ロイター通信)が見られるとして、ビットコインの引き出しを無期限停止に。25日にはウェブサイトも停止された。その後、26日には「マウント・ゴックスの運営とマーケットに関する最近の報道とそれによる影響を考慮し、サイトと顧客を守るために当面全ての取引を停止することを決定しました。状況を詳細に監視し、それに応じて対処していきます」とする英文のコメントだけをサイトに掲載している。
一方、マウント・ゴックスのマーク・カーペレス最高経営責任者(CEO)は、23日にビットコインの利用促進を目的とした「ビットコイン財団」の理事を辞任したことが伝えられている。