群馬県吉井町の産業文化会館で19日、ひつじ大学サマーフェスティバル「夢のコンサートin吉井」が開催された。18世紀を代表する古典派の作曲家ハイドンが作曲した「十字架上の7つの言葉」を、東京フィルハーモニー管弦楽団のメンバー2人の参加する楽団「トロイメライアンサンブル」が演奏。合わせて、十字架上のイエスの姿を久世まゆみ牧師(単立サンクゼールチャペル)が解説した。集まった約400人の地元市民らは、一流奏者によるクラシック音楽の生演奏に大きな拍手を送っていた。
このコンサートは、一流の奏者による本格的なクラシック音楽にあまりふれる機会のない地方に住む人々、特に子どもたちに「ほんもの」を聞いてほしいと、トロイメライアンサンブルの金山徹氏と、吉井町役場で働くインターナショナルVIPクラブKingdom Townよしい(群馬)代表、岡部重成氏が企画した。
コンサートは2部構成で行われ、1部ではシューマンによる「トロイメライ」や、ビゼーのカルメン前奏曲など全5曲を演奏。まるで、舞台上の演奏者全体が一つの身体として賛美し、踊っているような一体感ある演奏に、会場からは感嘆の声と大きな拍手がわき起こった。
第2部では、イエスが十字架上で語った7つの言葉について、久世まゆみ師が一つひとつ丁寧に解説した。
久世氏は、「ここ(会場)がイスラエルだと思ってください」と静かに語りかけ、日本の四国ほどの大きさであるイスラエル、その神殿、ゴルゴダの丘、十字架と、イエス・キリストが十字架につけられた瞬間を会場に表そうとした。
1、「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです。」(ルカ23:34)
2、「まことに、あなたに告げます。あなたはきょう、わたしとともにパラダイスにいます。」 (ルカ23:43)
3、「女の方。そこに、あなたの息子がいます。」「そこに、あなたの母がいます。」(ヨハネ19:26-27)
4、「わが神、わが神。どうしてわたしをお見捨てになったのですか。」(マタイ27:46)
5、「わたしは渇く。」(ヨハネ19:28)
6、「完了した。」(ヨハネ19:30)
7、「父よ。わが霊を御手にゆだねます。」(ルカ23:46)
久世師は、十字架上の激しい苦痛の中でさえ敵をゆるし、残された者へ心を配ったイエスの深い愛、全人類の罪を負わされ、父なる神との親しい関係を断たれたイエスの孤独と絶望、イエスによって人類のすべての罪をあがなう救いの御わざが成し遂げられたこと、復活の勝利の知らせを伝えた。
会衆は、普段なじみのない聖書の話に、真剣に耳を傾けていた。