【CJC=東京】ルーマニア正教会の指導者バルトロメウ・アナニア府主教(86)は8月15日、暴力番組で視聴者を操作し、「ルーマニア人の精神を毒する」と、テレビ局を批判した。ルーマニア北西部トランシルヴァニア地方のニクラ修道院で、10万人の巡礼者を前に、府主教は「私たちは野蛮で粗野な人間になっている」と語った。ただ自身はテレビを見るし、コンピューターも所有しているとして、「反現代」でもなく、テレビ自体に反対しているのでもない、と言う。問題は使われ方なのだ、と語った。
アナニア氏は、先ごろ死去したテオクチスト総主教の後任と目されており、その発言が注目される。9月12日に選出会議が行われるが、アナニア氏が総主教に選出されると、テオクチスト氏のバチカン(ローマ教皇庁)との対話路線を手直しすると観測筋は見ている。