欧州で「地中海ソプラノ」と絶賛されると共に、スペイン歌曲のスペシャリストとしても知られる工藤篤子さんが17日から、ブラジル日本人移住100周年記念行事の一環として、サンパウロ市を中心に6会場を巡る賛美コンサートツアーを開始する。オザスコ市立劇場、サンパウロ日本文化協会大講堂などで公演し、9月2日まで行われる。いずれの会場でも入場無料だが、入場料の代わりとして、福祉団体に寄贈する保存可能な食料品1キロの寄付を呼びかけている。サンパウロ新聞が18日、報じた。
17日は、サンパウロ市の西20キロに位置するオザスコ市立劇場で公演。19日はクリチーバ市、24日はサンジョゼー市、26日はサントアンドレ市、31日はアリアンサ市、9月2日はサンパウロ市でコンサートを開く。
コンサートでは、日本語で「荒城の月」「赤とんぼ」、ポルトガル語で「セルトンの月明かり」、スペイン語で「鳥のうた」、英語で「なんて美しい都」など12曲を歌う予定。
ブラジルは世界最大の日系人移住地で、現在約140万人の日系人が住むとされている。ブラジルへの日本人移住は、日本人781人を乗せて神戸港を出航した「笠戸丸」が、1908年6月18日にブラジル・サントス港に入港したことに始まり、来年100周年を迎える。ブラジルでは昨年、大統領令で「日本人移住百周年記念事業国家組織委員会」が組織され、100周年に向けて日本文化を紹介する多彩なイベントが予定されている。