・・・しかし、わたしはこの方を知っており、そのみことばを守っています。あなたがたの父アブラハムは、わたしの日を見ることを思って大いに喜びました。彼はそれを見て、喜んだのです。」そこで、ユダヤ人たちはイエスに向かって言った。「あなたはまだ五十歳になっていないのにアブラハムを見たのですか。」イエスは彼らに言われた。「まことに、まことに、あなたがたに告げます。アブラハムが生まれる前から、わたしはいるのです。」すると彼らは石を取ってイエスに投げつけようとした。しかし、イエスは身を隠して、宮から出て行かれた。(ヨハネの福音書8章48節〜59節参照)
今日、特に中心としたい箇所は、最後の57節58節です。50歳にもなっていない若僧のイエスが、ユダヤ人たちに対し「まことに、まことに、あなたがたに告げます。アブラハムが生まれる前からわたしはいるのです。」と語りました。これは大変不思議な言葉でした。
私たちは、いつの間にか、小さく凝り固まった考えの中を堂々巡りしていないでしょうか?本当のあなたの生活はもっともっと豊かなものであるはずです。
この世の中は本当に変化の大きい時代で、生活に関わることの全てがマスコミに振り回されている感じです。こうい時代だからこそ、時流に流されていると、私たちの生活も振り回されてあっという間に人生が終わってしまいます。自分の生き方をしっかりとさせましょう。
私たちが、単に偶然生まれたのなら、運や偶然でしか人生を動かすことができないでしょう。しかし私たちの命は神から与えられたものですから、神を土台とする人生を選び取ることです。
聖書を読むと、同じ人間の生き方でありながら、大きく異なる2つの生き方があることが分かります。1つは、人間の力や理解の範囲だけで生きる人間中心の生き方。2つ目は、神との関係の中で神様の恵みを体験しながら生きる生き方です。2つ目の人生を掴み取るために―
1.人の理屈か神の不思議か
私たちの信仰の態度をはっきりとさせることが必要です。なぜなら、この2つの生き方は相容れないからです。
イエスを信じているはずのあなたの信仰生活は、人間の理屈、屁理屈ばかりを言うだけの信仰、宗教的な話の中で終わるものか、神の不思議や恵みを体験できるものかを見極めてください。
このユダヤ人は指導者たちでしたから、頭の良い人たちでした。彼らは、神との関係でユダヤ人に与えられた十戒やアブラハムやモーセを通して現わされた奇跡的な歴史を知っていました。しかし、いつの間にか、人間の心や理屈では計り知ることのできない、愛である偉大な神が、時には奇跡をもって私たちの人生にも関わってくださるということを忘れ果てたのです。
彼らが目の前に見ていたのは、まさに神の御子としてこの世に下ってきてくださった、主キリストでした。人々は神の臨在を見ることができたはずでした。しかし、理屈だけにとらわれた人々の信仰はイエスの恵みを掴み取ることができなかったのです。
神のことをいくら知識で知っていても、本当に働かれる神の御業を体験する方が何倍も私たちの人生に対して大きなインパクトを与えます。もしここにイエスがおられたら、皆さんは必死になってメッセージを聞くことでしょう。しかし、本物のイエスのおられた時代、ユダヤ人たちは、人となって来られた神であるイエスのことを信じようとしなかったのです。これは、イエスがおられるかどうかではなく、イエスを信じるかどうかの問題なのです。人の理屈か、本当の神の不思議、奇跡、恵みを信じることができるか、私たちの心の態度を選び取ることが必要です。
2.神のもたらす奇跡や不思議は今も生きている
単に2千年前のユダヤ人とイエスという過去の話ではなくて、イエス・キリストを信じる信仰は、神の不思議がもたらす恵みを今ももたらします。
私たちの信じる主は天地宇宙を創られた神と共におられた御子であり、私たちのためにこの地上に下り、私たちを愛して私たちの罪を背負って十字架につき、罪を清め取り除いてくださり、蘇りの命を与えるために復活してくださった主です。これは単なる過去の物語や神話なのではなく、私たちの人生に起こっている不思議なのです。このことを私たちはしっかりと掴み取ろうではありませんか。今も神の不思議が起こり続けています。
長年の友人であるマレーシアのムーイ師、シンガポールのカン・ヒー師、プリンス師の働きの中に、神は数々の奇跡を起こし特別な働きを担わせ、成長させてくださり、偉大な働きをなす人々とされました。同じようにあなたの人生の中にも、主イエス・キリストが関わっていてくださいます。
イエスはあなたのことを愛し、既に十字架での救いの道を用意し、あなたが恵まれた人生を歩むことができるようにと、導いていてくださったのです。だからこそ、あなたはクリスチャンとしての歩みをなすことができるのです。
人間的な理屈で理解できる信仰から脱却し、神の愛と導きを素直に認めて、その中に現わされる主の恵みと不思議をそのまま受け止めることのできるクリスチャンとなりましょう。神の御手の導きの中にある人生を掴み取りましょう。イエスの恵みは今日も、偉大なる不思議を伴いながら私たちの人生の中に奇跡を起こしてくださいます。
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万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など、多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。