今月14日夕方、米カリフォルニア州サンフランシスコ市のダウンタウンにある寿司屋で、3000ドルという破格のチップが残された。最近話題となっている「Tips for Jesus(イエス様にチップを)」を名乗る何者か、またはグループが再び出現したようだ。
伝えられるところによれば、14日夕方、モンゴメリー通りの高級寿司屋「Roka Akor」でこの気前のよい客の給仕をしたのは、同店のウェイトレス、ヒラリー・ヘッセさん。その男性客は店の奥の角のテーブルに席を取り、合計147ドル(約1万5000円)の食事をした。ヘッセさんがその男性の会計をするためテーブルに戻ると、男性の姿は既になく、食事の支払いの上に、破格の3000ドル(約31万円)というチップが残されていたのだという。そればかりでなくその男性は、自分の隣で食事をしていたカップルの勘定まで支払ったそうだ。
多額のチップが残されているのに気付いたのは、隣のテーブルのカップルに彼らの支払いが既に済んでいることを伝えているときだった、とヘッセさんは地元のKPIX5テレビに語った。「私は彼らの食事の支払いを、その方がして下さったと伝えているところでした。その男性の残した勘定書き挟みをふと開いて、中を見て、びっくり仰天しました」とヘッセさん。「『チップをたくさんくれたの?』とそのカップルが聞いてきたので、私は『ええ、まあね』と答えました」
ヘッセさんは、最初男性客が計算を間違えたのかと思ったという。「最初は、30ドルのことを30.00と書くのを知らないのかと思ったんです。だけどよく見てみて、本当にびっくり」
「Tips for Jesus」が出現し始めたのは昨年9月。正体は1人なのかグループなのか不明だが、アメリカ中のレストランやバーに多額のチップを残している。チップの額は500ドルから1万ドルまでに渡り、「Tips for Jesus(イエス様にチップを)」というメモを一緒に残していく。この人物またはグループはインスタグラムやフェイスブックに「tipsforjesus」の名でアカウントを持っており、多額のチップとレシートを撮った写真がいくつも掲載されている。
昨年12月、ゴーカー・メディアのブログサイト「ValleyWag」は、この謎の「Tips for Jesus」の正体はシリコン・バレーの起業家で、オンライン決済サービス「PayPal」の元副社長、ジャック・セルビー氏であると報じたが、この主張はセルビー氏自身の裏づけを得ていない。
今回以前にサンフランシスコに「Tips for Jesus」が出現したのは昨年11月。ステーキハウスの「HARRIS'」で、468ドル(約4万8000円)の食事に対して1500ドル(15万6000円)のチップが残された。「Tips for Jesus」は他にもロサンゼルス、ノートルダム大学(インディアナ)、シカゴ、ユタ、などアメリカ各地で出現が報告されている。