【CJC=東京】シリアのバッシャール・アル=アサド大統領が、カトリック教会のフランシスコ教皇に書簡を送った。2011年に内戦勃発以来、大統領が教皇に書簡を送るのは初めて。
シリアのヨセフ・スウェイド国務相ら外交使節団が28日、バチカン(ローマ教皇庁)で国務省長官のピエトロ・パロリン大司教と会談した際、使節団が持参した書簡を手渡した。シリア政府の姿勢を説明しているという。詳しい内容は明らかにされなかったが、国営シリア・アラブ通信によると、1月22日からスイスで開かれる和平会議「ジュネーブ2」にアサド政権として参加の用意を示したという。
バチカン広報事務所長のフェデリコ・ロンバルディ神父も、パロリン国務長官が、シリアのスウェイド国務相ら外交使節団と会談したことを明らかにした。会談には外務局長のドミニク・マンベルティ大司教も同席した。
バチカンはジュネーブ2には参加しないが、教皇フランシスコは、シリアでの戦闘の終結と人道支援の実現を強く訴えており、クリスマス・メッセージでも言及している。
反政府勢力を支持し、行方不明となっているイタリア人イエズス会士パオロ・ダログリオ神父の消息への懸念もバチカン側は表明したものと見られる。