日本バプテスト連盟「障害」者と教会委員会はこのほど、同委員会の15年の活動の軌跡をまとめたブックレット「共に礼拝し、共に宣教する教会―「障害」を持った人たちと歩む―」を出版した。
同委員会は1994年と96年の連盟総会での討議を経て、97年に臨時委員会が発足。翌年の98年から本格的な活動を始めた。発足時より「共なる教会、共なる宣教」とのテーマを掲げ、「障害」のある人とそうでない人が一緒に教会を建て上げていくことを目指してきた。「障害」をカギ括弧で表記しているのは、「『障害』という言葉はさえぎるものという意味があり、問題を含んだ言葉である、ということを表現したもの。もっともふさわしい表現があればいつでも変更する」(同委員会)との理由による。
2008年にも「まなざし 証し集」を発行し、「障害」を持つ人々の声を伝えてきた。今回は、「障害」のある人々と共に礼拝し、共に宣教にあずかっている教会の紹介を中心に据え、これまでの委員会の活動の中から講演録、機関紙「まなざし」からの記事など、様々な記録を取り込んだ一冊となった。02年に出版したハンドブック「教会で共に生きる」も一部追加・改訂を加えて今回の冊子に加えた。
目次は▽障害者と共なる教会を訪ねて▽障害を持った人が教会に訪ねてきたら▽公開委員会主題講演より▽バリアフリーの実際▽委員会の活動からなど。
同委員会の内田章二委員長は巻頭メッセージで、「昨今は『格差社会』や『勝ち組・負け組』といった言葉が日常的に語られ、人間を持ち物や能力でランク付けし、それによって強い者はさらに力を得、弱い者はますます小さくされていく状況が社会全体に広がりつつあります。そのような困難な時代の只中で、神の国のひな型としての教会は、神が造られたひとりひとりの存在を喜んでおられるという『いのちのメッセージ』を語り続け、発信していく必要があります」とし、「委員会の働きは、諸教会・伝道所と共にこの働きを推進していくことです。このブックレットをお読みいただき、委員会の働きについて、さらに深くご理解いただければ幸いです」と述べている。
定価500円。発注の申し込みや問い合わせは、茂原バプテスト教会(0475・22・8275)。