日本キリスト教協議会(NCC、東京都新宿区)は、12月10日の国際人権デーを覚えての祈りを呼びかけている。
NCCは、「キリスト教界にとって、待降節の只中に、この『世界人権宣言』を祈る日が与えられていることは、『すべての人は、神に似せて祝福のうちに造られた』ことを、喜びをもって祈ることを神に求められていることを意味します。イエスが、この祈りに支えられながら誕生することを私たちは祝うわけですから、神に造られた一人ひとりの命、存在が意味あるものとなるよう、生きていくことを感謝のうちに受け入れる時なのです」と、クリスマスの前の待降節(降臨節=アドベント)の期間を引き合いにしながら、人権のために祈る意味を伝えている。
また、「日本で生きる人の中には、母語が異なることで苦しむ人や、日々の糧を得るためにさまよう人たちがいます。住まいがないことで、また医療を受ける権利が保障されないまま、生涯を閉じていく人もいます」と、日本においても依然として人権の問題があることを取り上げ、「一人ひとりは、今生活している場所が『住まい』なのです。この『住まい』に、人と共に生きようという気持ちが心から湧き上がるために、小さなことから始めてみませんか? その小さな行為が、神の恵みとして繋げられていくために、イエスはお生まれになりました。共に祈りましょう」と、祈りを呼びかけている。
特に、「日本で生まれ、成長し、日本語しか話せない多くの子どもたちの正規滞在化と教育を受ける権利のために、お祈りください」と、非正規滞在化者として扱われている子どもたちの正規化について祈りを求めた。
世界人権デーは、1948年12月10日に世界人権宣言が国連総会で採択されたことを記念したもので、毎年12月10日に記念行事が行われている。1968年以降は、5年毎に国連人権賞を授与しており、前回の2008年は、ルイーズ・アルブール氏(前国連人権高等弁務官)、ベーナズィール・ブットー氏(元パキスタン首相、2007年に暗殺されている)、ラムゼイ・クラーク氏(元アメリカ合衆国司法長官)らが受賞している。今年は5年毎の受賞者発表年であり、世界人権デーの12月10日に受賞者が発表される予定だ。