1. ことばの力
あなたの語る「ことば」には、力があります。「~をしなさい」と命じれば、人はそれに従います。「~をしてください」とお願いすれば、人はそれをやってくれます。「ことば」は、自分の「意志」を音声または文字によって表現したものです。「ことば」は、自分の「意志」を他の人に明確に伝えるための手段です。
「ことば」の中身は「意志」です。「意志」とは、何かを実現しようとする人の強い意図です。この内心の「意志」が、「ことば」という形をとって外に現れたとき、意志したとおりに、すなわち「ことば」で語られたとおりに、現実が形造られていきます。
創世記第1章には、神がことばを語ることによって、天地万物を次々に創造された事実が書かれています。福音書には、イエス・キリストが語ったことばが、ことごとく実現している事実が書かれています。あなたは強い意志をもって言ったことばのとおりに、事実を造りあげていくことができるのです。
2. 法律の障壁
Eさんは、日本人に福音を伝えるために、外国からやって来ました。日本では多くの若者たちが、反社会的な団体に霊的に縛られてしまっていることに、非常に心が痛みました。そこで熱心に彼らの救出活動を行いました。Eさんの働きによって、次々に若者たちが救出されました。彼らはイエス・キリストを信じて、しっかり教会につながるようになったのです。
そのような時に、どうしても日本における永住ビザを取得する必要が生じました。もし永住ビザが取れなければ、Eさんは帰国しなければなりません。
ぼくはEさんから、永住ビザ取得の手続きについて相談を受けました。ところが、Eさんは、日本に居住している滞在年数が短いため、そもそも永住ビザを申請する資格がありません。「申請資格がなければ、申請書を受理してもらえませんから、どうしようもありません」と回答しました。「でも、神は全能なる方ですから、どんなことでもでます。あきらめないで祈りましょう!」。こう励ましましたが、法律の壁を崩す難しさをいやというほど知っている弁護士としては、それはほとんど無理ではないかと思っていました。
Eさんはその日から、真剣に祈り始めました。「私が日本に留まって若者たちを救出することが神の計画であるなら、必ず永住ビザをもらえるはずだ!」「永住ビザよ、発給されよ!」と祈って命じつづけたのです。
何カ月か経ちましたが何も起こりません。しかし、Eさんはあきらめないで、信仰をもって命じつづけました。時には断食をして祈りました。
半年ほど経った頃でしょうか、警察から突然出頭要請が来ました。Eさんの救出活動について、事情聴取したいと言うのです。「きっと反社会的団体が警察に嘘を言って、私を陥れようとしているにちがいない!」と思ったEさんは、出頭を拒否しました。そうしたら、警察の方からEさんを訪問して来たのです。
Eさんはやむを得ず、自分のやってきたことを正直に全部話しました。警察の担当官はすべてをメモしています。Eさんは最後に、「私は永住ビザがもらえないので、間もなく帰国しなければなりません。なんとかならないのでしょうか?」と聞きましたが、担当官は何も答えずに帰って行きました。
3. 永住ビザがおりた!
数日後に警察から電話がありました。
「すぐに永住ビザを申請してください!」と言うのです。「でも、すでに弁護士に相談しましたが、申請資格がないからダメだと言われています」。こう返事をしたところ、「とにかく申請を出してください。申請書の書き方がわからなければ、私共が協力します」とのことです。
Eさんは警察の担当官と一緒に入国管理事務所に行って、永住ビザの申請書を提出しました。そして間もなく永住ビザが許可されました!
4. 国をも動かす力
反社会的団体に捕らわれてマインド・コントロールされてしまっている若者たちは、警察につかまっても、出所すれば、多くはまた元の団体に戻って反社会的活動をつづけます。しかし、Eさんによって救出された若者たちは、マインド・コントロールから解放されて、クリスチャンとして社会のために良い働きをしているのです。
これを見た警察当局は、「警察よりもEさんの方が力がある!」と思ったのでしょう。しかしだからと言って、法律的に申請資格がないビザの発給を、警察の方から積極的に支援するはずがありません。Eさんの祈りに神が答えて、警察にこのような特別措置を取らせたのだと思います。
あなたは、心から神のことばを信頼して、問題の山に向かって、「解決せよ!」と確信をもって命じつづけるなら、法律の障壁をも乗り越え、国家権力をも動かすことができるのです。
―「見よ、わたしはあなたを鋭い歯のある新しい打穀機とする。あなたは山を打って、これを粉々にし、丘をもみがらのようにする」(イザヤ41章15節)
― イエスは言われた、「あなたがたの信仰が足りないからである。よく言い聞かせておくが、もしからし種一粒ほどの信仰があるなら、『この山に向かって、ここからあそこに移れ』と言えば、移るであろう。このように、あなたがにできないことは、何もないであろう」(マタイ17章20節)
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佐々木満男(ささき・みつお)
国際弁護士。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL.M)。インターナショナルVIPクラブ(東京大学)顧問、ラブ・クリエーション(創造科学普及運動)会長。
■外部リンク:【ブログ】アブラハムささきの「ドントウォリー!」