【CJC=東京】マグダラのマリアが住み、イエスと出会ったかもしれないイスラエル北部の町ミグダル(マグダラ)で、1世紀のものと推定されるシナゴーグが発見されたのは2009年。
その後発掘が進められる中で、ロゼッタ模様のモザイクや、トーラーを置いたと見られるテーブルなどが発見された。七つに分かれた燭台「メノーラー」が刻み込まれたレリーフもあった。
イスラエル紙ハアレッツは、ユダヤ教徒と共に最初期のユダヤ人キリスト者が礼拝していた、との見方も出て来た、と報じている。
発掘された遺物の中には紀元29年の貨幣もあった。シナゴーグは40年から50年の間に改築され、放棄されたのは遅くとも68年までのことと見られる。
イエスの十字架は最近の研究で紀元33年4月3日とされていることから、改めてイエス・キリストもこのシナゴーグに立ち寄られたのでは、との推測も成り立つ。
ただ発掘に関係したメキシコ・アナフアク大学のマルセラ・ザパタ研究員は「イエスの時代、またその前後にシナゴーグが本来のシナゴーグとして使われていたことは確か」としながらも、イエスが足を踏み入れたという考古学的な証拠はない、と言う。一方マグダラ・センター所長のフアン・マリア・ソラナ神父は「キリスト者としては、イエスがそこにおられただろう、ということを疑うわけにはゆかない」と語っている。