「富は無限、時は有限」― 私が思いついたキャッチコピーですが、あなたはどう思いますか? 「マグロがあと数年で食べられなくなるし、石油もいずれ取り尽くされてしまう。しかし、富が枯渇しても、時間は永遠に続いていくではないか」「富は有限、時間は無限だ!」こうも考えられますね。
しかし、よく耕して肥料を与えれば、土地は無限に作物を生み出してくれます。海の汚染を防止すれば、マグロも再び大量に繁殖するでしょう。石油が枯渇しても、原子力エネルギーが使えなくなっても、太陽エネルギー、風力エネルギー、潮力エネルギー・・・エネルギーはいくらでも作り出せるでしょう。
天地万物の創造主は、「生めよ、増えよ、地に満ちよ!」と人間に言われました。ですから、富が欠乏して、人類が地上に住めなくなることは、神の計画にはないのです。実は今でも毎年、膨大な量の果実が未収穫のまま朽ち果て、価格調整のために大量の農畜産物が廃棄されています。まだまだ無限に近い量の未発見・未採掘の鉱物資源が、地下に眠っています。また、非常に多くの特許新技術が、時期早尚として商業化されずに放置されています。
今、世界で富が不足しているとすれば、その原因は、人間に愛と知恵が不足しているにすぎません。愛が不足しているから、あり余る富を公平に配分できないのです。知恵が不足しているから、今ある富をもっと増やすことができないのです。富は無限に存在するのです。
これに対して、時間は限られています。人の寿命は長くても百年前後。学生として学ぶ時間、社会で働く時間、結婚して生活する時間、子どもを育てる時間・・・すべての時は限られています。
「タイム・イズ・マネー」(時は金なり)と言いますね。時は富と同じだから、時を大切にしなければならないということです。なぜなら、時間を使って働いた分だけお金になります。金融機関にお金を預けておけば、時間がたった分だけ利子がつきます。株や不動産に上手に投資すれば、時とともに資産価値が増えます。でも、時が富を生み出すだけのものであれば、それはむなしいものではないでしょうか。だれも何一つ持ってあの世に行くことはできないからです。
本当は、「タイム・イズ・ライフ」(時はいのちなり)なのではないでしょうか。私たちのこの世のいのちには、限られた時間しかありません。時はいのちと同じだからこそ、時を大切に生かして生きなければならないと思うのです。富を大量に得るためよりも、富を有効に使うためにこそ、時を生かして用いましょう。
「私は人生の最大の失敗者だ。富の獲得のためにのみ時間を浪費してきた。最も大切な家族を愛する時間をほとんど持たなかった」
何度も離婚して世界一の大富豪になった石油王、ポール・ゲッティが、臨終の間際に語った言葉です。
「キリスト教撲滅!」を叫び、世界制覇を目指して巨大宗教団体に成長させた某新興宗教の最高指導者が、末期がんの病床に神学校の教授を呼んで、聖書の集中講義を受けています。きっと、自分の死を目前にして、「本当の真理は何なのか?」「永遠のいのちを持つにはどうしたらいいのか?」を知りたがっているに違いありません。
「富は無限、時は有限」― 有限な時をいかに有効に生かして生きるか。言うまでもなく、あなたの最も大切なことに、あなたの時を使うことです。あなたにとって、最も大切なことはなんでしょうか? あなたは今、あなたの最も大切なことに、あなたの時間を使っているでしょうか?
「タイム・イズ・ライフ」(時はいのちなり)。
佐々木満男(ささき・みつお)
国際弁護士。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL.M)。インターナショナルVIPクラブ(東京大学)顧問、ラブ・クリエーション(創造科学普及運動)会長。
■外部リンク:【ブログ】アブラハムささきの「ドントウォリー!」