【CJC=東京】教皇フランシスコがバチカン(ローマ教皇庁)内とは言え、自ら「ルノー4」を運転する姿が見かけられるかもしれない。このルノーは北イタリアベローナのレンゾ・ゾッカ神父(70)が9月7日、長らく愛用していたのをプレゼントした。20年も前に製造されたもので、走行距離は30万キロに達している。
「貧しい人のための貧しい教会」を目指す教皇に、同神父は、障害のある人や貧しい人、薬物依存症の人のために労働者居住地区で自身が行っている活動について、教皇に手紙を書いた。すると8月10日、教皇から直接電話がかかってきた。
カトリック系誌「ファミグリア・クリスティーナ」電子版が9月10日掲載した記事で、神父は「何を話したらよいかわからなかった。息切れがした」とその時の心境を語っている。教皇に何か贈り物をしたいと神父は、「ルノー4」を置いて他にないと思ったという。
教皇は慈善団体に寄付してはと提案したが、最終的にはプレゼントとして受け取ることにし、バチカンで7日に会うことにした。
神父が教皇の住居に「ルノー4」で到着すると、教皇は以前、自分も所有していたと話し、車に乗り込んで運転した。
「トランクには念のため、雪用タイヤも積んでおきました」と神父。