【CJC=東京】内戦が続くシリアで、化学兵器の使用によって多数の死者が出たことが疑われるなか、教皇フランシスコは8月25日、「残虐な行為が増大している」と述べ、国際社会に解決への努力を促した。
バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ広場で行われた日曜日恒例の祈りの集いで、教皇は数万人の信者を前にシリアの内戦について言及、「シリアで続いている状況に大きな痛みと懸念を持っている」と述べ、戦闘の犠牲になった人たちのために祈りをささげるよう呼びかけた。
教皇は「最近の恐ろしい映像からも分かるとおり、虐殺や残虐な行為が増大している。武器の使用をやめ、対話による解決を呼びかける必要がある」と述べた。
教皇は29日、ヨルダンのアブドラ2世国王と会談した。
会談では、イスラエル・パレスチナ間の和平交渉や、エルサレム問題をはじめとする中東平和の推進が主に話し合われた。
バチカン放送(日本語電子版)によると、緊張のただ中にあるシリア情勢については、国際共同体の支援の下、シリア社会のすべての構成層を交えた対話・協議の道を開くことが、非武装の市民ら多くの人命を奪う闘争と暴力を終結させる唯一の方法であると確認した。
キリスト教とイスラム教の共通の聖都エルサレムの帰属に関する問題も話し合われた。
9月にアンマンで開催される中東のキリスト者が直面する課題を討議する会議開催など、アブドラ国王の諸宗教対話における取り組みを教皇は評価した。また同地域でのキリスト教共同体の社会的貢献についても触れたという。