【CJC=東京】米福音ルーテル教会(ELCA、信徒400万人)は第25回年次教会大会を8月12~17日、ピッツバーグで開催した。3年に1回開催される大会は今年25周年を迎える記念大会として、主題に「常に新しくされる」を掲げていた。
大会は14日、5回目の投票でエリザベス・A・イートン牧師を総裁監督に選出した。イートン牧師は、全投票数889中で選出に必要な445票を大きく上回る600票を獲得した。対抗馬の現職マーク・S・ハンソン総裁監督は287票だった。
12年間にわたって同派を指導してきたハンソン氏の後任となるイートン氏は、同派初の女性総裁監督。
イートン新総裁監督は、オハイオ州内の教会牧師を務め、マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード神学校で神学修士号を、オハイオ州ウースター大学で音楽教育学士号を取得している。2007年から北東オハイオ・シノッド(信徒7万7000人)監督。米聖公会のコンラッド・セルニック司祭と結婚、成人した子女が2人いる。
イートン新総裁監督は15日、「まだショック状態。対話を始めたい」と語った。「目標は、意見の異なる人々にも場を備えること。その人たちもルーテル派であり、この教派の完全な一部なのだとはっきりさせたい。もう一度、宣教師にならなければ、と感じている」と言う。
同派は2009年に公然同性愛者の聖職を認め、ことし6月には初の同性愛監督を選出している。
同派は1987年の設立以来、信徒数減少が続いている。2010、11年にはほぼ半減した。同性愛聖職を受け入れられない聖職、信徒が10年から北米ルーテル教会に転会したことが影響したと見られる。
2006年に米聖公会の総裁主教に女性として初めて就任したカサリン・ジェファーツ・ショリ氏はイートン新総裁監督選出を歓迎する声明を15日発表した。両派は既に完全相互聖餐(フルコミュニオン)関係にある。