先月から続く断続的な大雨で、記録的な大洪水に見舞われている英国で28日、救助隊が男性一人の遺体を発見し、地元警察によると、これまでの洪水による被害者は9人に達した。ロイター通信が同日、伝えた。気象予報士らの調べによれば、今年5月から7月にかけてのウェールズを中心とする地域の雨量は、1766年からの測定史上最大となった。今月に入っての洪水は、過去60年間で最大規模となっている。
被害を受けて、英国の教会関係者らも救助に向けて様々な動きを見せている。ロンドンの北西約180キロに位置するテュークスベリーは最も被害がひどく、英国救世軍は地元住民や足止め状態にある旅行者らのために緊急の宿泊設備を用意するなど救助活動を続けている。一方、ジョン・プリチャード・オックスフォード主教は25日、オックスフォード西部を訪問し、被害者らに慰めと励ましの言葉を伝えるなどしている。
英国では先月下旬に、雨の影響により北部と中部の広範囲に及ぶ洪水が発生し4人が死亡。さらに、今月下旬に降った大雨により、西部と中南部で洪水による被害が広がり、24日までに約35万世帯が浸水し、数千人が避難するなどしている。科学者らによれば、英国の気候は海水温の冷却化により異常気象を生じさせるラニーニャに影響を受けるとされているが、今回の長期間にわたる大雨の原因はわかっていない。