輝かしいみわざ
ルカの福音書13章10~21節
[1]序
ルカの福音書13章10~21節の箇所を味わいます。
12章1節以来、パリサイ人に代表される指導者たちの偽善について取り上げられる中で、主イエスは救いのみわざを力強く指しておられます。
[2]「神をあがめ」(13節)
(1)「イエスは安息日に、ある会堂で教えておられた」
6章6~11節、14章1節以下の記事に見るように、繰り返し安息日問題に焦点。
(2)婦人の状態、11節と13節 → 18年間
しかし婦人の方から主イエスに直接いやしを求めたのではない。
(3)主イエスご自身の積極的な行為、深い憐みから
①「その女を見て」
②「呼び寄せ」
③「あなたの病気はいやされました」(12節)
主イエスのことばの権威、あなたは病気から解き放たれると断言。
(4)神をあがめ(13節)
前半の頂点。
[3]第二の頂点
(1)会堂管理者と群衆に対して
安息日をめぐる論争。
(2)主イエスの反論、教え(15、16節)
比較。安息日に家畜の世話をして良いとすれば、まして「アブラハムの娘」(19章9節参照)である、この婦人の苦しみに対して。
(3)17節、第二の頂点
「こう話されると、反対していた者たちはみな、恥じ入り、群衆はみな、イエスのなさったすべての輝かしいみわざを喜んだ。」
[4]結び
回復、「神の創造の御業に合致した姿に回復」(シュタファー)。
一人の婦人に対してなされる、主イエスの輝かしいみわざと18~21節に明らかにされている神の国(小さな者、小さなことの大切さ)。
宮村武夫(みやむら・たけお)
1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。
主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。