公義と神への愛
ルカの福音書11章37~54節
[1]序
いつものようにルカの福音書を読み進めていきます。今回は11章37~54節、少し長い箇所です。37節から44節までのパリサイ人を巡る記事と、45節以下の律法学者を巡る記事に分けて見て行きます。
[2]「公義と神への愛」(42節)
(1)ことのきっかけ
①食事の前のきよめの洗いを巡って
②中心点は、杯や大皿の外側と内側の関係
「外側はきよめるが、その内側は、強奪と邪悪とでいっぱい」(39節)。主イエスは、器ではなく、人に。人の外側ではなく内側に目を向けておられる。内側をきよめよ、「うちのものを施しに用いなさい」(41節)と愛の業を勧める。
(2)何が大切か
①パリサイ人の現実として指摘されていること
「はっか、うん香、あらゆる野菜などの十分の一を納めている」(42節)。そのこと自体は問題のないことではあっても、そのために大切なことを無視していることを主イエスは鋭く指摘なさっている。
②「公義と神への愛」こそ大切、「実行しなければならない事がら」
マタイ23章23節参照。
③自己を追及(43節)
[3]律法の専門家との間で(45~52節)
[4]結び
律法学者、パリサイ人たちと主イエスの間で激しい対立。
宮村武夫(みやむら・たけお)
1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。
主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。