【CJC=東京】教皇フランシスコ(76)は7月22日から29日まで、ブラジルを司牧訪問する。リオデジャネイロで開催される第28回「世界青年の日」大会(ワールドユースデー、WYD)参加を目的としたもので、教皇フランシスコの初めての海外訪問となる。教皇は初の南米出身者。
教皇は大会参加の若者たちと交流するほか、リオデジャネイロ司教座大聖堂でのミサ、ジルマ・ルセフ大統領はじめ同国の各界要人と会見、「褐色の聖母」が出現したとされるサンパウロ州アパレシーダへの巡礼、薬物・アルコール依存患者らの更正医療施設や「ファヴェーラ」(スラム街)訪問、青年受刑者たちとの出会いなど、様々な行事を予定している。教皇は28日夕にリオデジャネイロを出発、29日昼にはバチカンに帰着の予定。
ブラジルではサッカー・コンフェデレーションズカップ開催中の6月下旬に大規模デモが相次ぎ、警察との激しい衝突があったばかりだが、教皇は防弾ガラス仕様の専用オープンカー「パパモビル」を使わないことにした。信者と直接触れ合うことを大切にするのが教皇の意向という。教皇は3月の就任後、バチカンで開いたミサに集まった信者と交流した際も防弾ガラスのない車両を使用している。
ただ、「世界が注目する中でのデモは、訴える力を増すため、大規模な抗議運動を起こす可能性がある」と懸念する声も強く、ブラジル当局は治安確保に懸命。現地教会もルセフ大統領に教皇訪問中の厳重な警備を要請している。