【CJC=東京】南アフリカ大統領府は7月10日、6月8日から肺の感染症のため約1カ月入院が続くノーベル平和賞受賞者のネルソン・マンデラ元大統領(94)について「治療が効果を表している」とする声明を出した。容体は依然として重篤だが、安定しているという。
マンデラ氏の2人の孫娘は9日、インターネットのツイッターで、同氏が笑顔や目の動きで意思疎通を図っていると明かした。同氏には生命維持のため、人工呼吸器が使われているとされる。
同氏は、近年入退院を繰り返しており、今回の入院は昨年12月以降4度目。
入院の長期化に伴い家族間のトラブルも表面化しており、その影響も背景にあるようだ。
またマンデラ氏が死去した場合の埋葬地をめぐって、孫や娘などの間で意見が食い違い、法廷闘争に発展。娘らが先月末に提出した法廷資料には同氏が継続的な植物状態にあり、医師団が生命維持装置を停止することを家族に勧めた、と記載されている。これに対し、大統領府は4日、植物状態を否定する声明を出した。
「誕生日までは生命維持装置を外さない」「埋葬地の問題があったから維持装置を外さなかった」などといった見方も出ている。