【CJC=東京】作曲家J・S・バッハ(1685~1750)に関するドイツ研究機関「ライプチヒ・バッハ資料財団」は6月6日、これまで存在が知られていなかった、バッハ筆写の楽譜が見つかったと発表した。
カトリックのミサ曲を1740年頃に書き写したもの。プロテスタント教会で重視されるバッハが、カトリックの教会音楽の影響を強く受けていたことを示す資料。
筆写したミサ曲は、イタリア・ベネチアの作曲家フランチェスコ・ガスパリーニの「ミサ・カノニカ」(1705年作曲)。ワイセンフェルスにある作曲家ハインリヒ・シュッツの記念館で今年4月に見つかったという。
財団が使われた紙のすかし模様やインク、筆跡を分析した結果、1740年にバッハ本人が書いたものと断定した。計30枚あり、保存状態は極めて良好という。財団は、バッハ晩年の作品がイタリアのミサ曲に影響されたことを裏付けると指摘している。