【CJC=東京】ロシアのインタファクス通信によると、ロシア正教会の最高指導者、「モスクワと全ロシアのキリル総主教」は中国訪問の最終日の5月16日、上海で、正教会の地位が強化されることになろう、と記者団に語った。
総主教は、「中国正教会を強化する計画」のあることを明らかにした。特に、計画と関連して、中国人学生2人が、サンクトペテルブルグとセルゲイエフ・ポサドにある正教会神学校で学んでいる、と指摘した。
「300年にわたって中国に存在し、20世紀には中国の人々全てと苦難を共にしてきた正教会という『真の教会』のリバイバルに立ち会っている」、と総主教は語った。
総主教は、今回の訪問が中国社会に積極的な発展の結果であるとし、中国当局が中国人民の生活の中の宗教の重要性と、両国間の関係発展における正教の重要性を理解したから可能になった、と指摘した。
今回の訪問が両国間の関係強化に貢献し、それが両国間だけでなく全世界に大きな影響を与えることを望む、と総主教は語った。
中国政府は、国務院宗教局が宗教を管理しているが、宗教活動を認めているのは、カトリック、プロテスタント、イスラム教、仏教、道教だけで、宗教団体は登録認可が必要。
カトリック、プロテスタントとも、政府の規制を嫌って非登録のまま「地下活動」を行い、取り締まられる事態もこれまで続発している。
「正教会の地位強化」をロシア正教会の最高指導者が要請したことは、中国の宗教政策の変更を迫ったものと見られ、中国側の対応が注目される。