【CJC=東京】米ボーイスカウト連盟(BSA)が同性愛少年のスカウト入隊拒否を撤廃する方向に進む中で、教会版ボーイスカウトに関心が集まっている。5月24~28日に開かれる連盟総会で評決が行われるが、採択される可能性が高い。その場合、BSA脱退者が10万人から35万人に上ると見られている。
米国のボーイスカウトの7割は教会やキリスト教団体が設置したと見られる。同性愛問題はキリスト教会も直面を迫られているが、保守派を中心に否定色が濃い。
ボーイスカウト連盟が同性愛少年の入隊を認めても、加入は各隊ごとの判断に委ねられてはいる。
教会版ボーイスカウトの中で、「パスファインダーズ」(セブンスデー・アドベンチスト)、「ロイヤル・アンバサダーズ」(南部バプテスト)、「ロイヤル・レンジャーズ」(アセンブリーズ・オブ・ゴッド)などはすでに数十年の歴史がある。
誓いをし、バッジを着用、キャンブも行うが、ボーイスカウトとはされていない。
超教派のものでは「カルビニスト・カデット・コープス」「クリスチャン・サービス・ブリゲード」などがあげられる。
セブンスデー・アドベンチストの北米青年宣教部門のジェームズ・ブラック担当は、「親が子どものために『パスファインダーズ』を前向きに選択するなら、両手を広げて歓迎する」とRNS通信に語った。
末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教会)はスカウト隊設立に力を入れている教派の一つ。「これまでBSAが思慮深く、良い信仰に立った努力をしてきたことに満足している」という。しかしプロテスタント最大の南部バプテスト連盟のフランク・ペイジ執行委員会委員長は、「改定は、ボーイスカウトに留まろうとする信念を軽視するよう教会に課すことだ」と語る。
バプテスト通信は、「ロイヤル・アンバサダーズ」が約3000教会で設立された、と報じている。その大半は南部バプテスト連盟の教会。
BSAの宗教関係タスクフォースのR・チップ・ターナー全国議長はRNS通信に、評決が延期されることが望ましい、と語った。総会前にタスクフォースは集まって神の導きを祈る、と述べている。