【CJC=東京】ロシア正教会の最高指導者キリル総主教が5月10日、初めて中国を訪問、北京の人民大会堂で習近平国家主席と会見した。
ロシアのRIAノボスチ通信は、習主席がキリル正主教を「中国を初めて訪問したロシア最高の宗教指導者」とし、訪中をハイレベルで質的にも最高な中ソ関係を明確に示すものと語った、と報じている。総主教は、「近年に出現したロシアと中国の特別な関係の徴」と応じた。
今回の訪問は、ロシア正教会を認め、教会がロシア社会で果たす役割を評価しようとする中国共産党政権の意図の表れと見る向きもある。「長い間、中国は正教会がロシア政界に大きな影響を与えている事実を無視してきた。今回の会談で、ロシアや他の正教会が優勢な諸国との関係発展のために宗教の役割を模索することを中国が出来るようになろう」と言う。
北京空港では、今回訪中を招待した国務院宗教局の関係者が出迎えた。総主教は、中国公認の仏教、天主教(カトリック)、イスラム教、道教、プロテスタントの代表とも会談、その後、ロシアの影響の強いハルビンを訪問、上海で6日間の日程を終えた。
今回の総主教訪問で、中国の正教会が完全に認知されるまでにはなお至らないが、双方の宗教、文化交流がさらに活発になるものとの見方も出ている。