エキュメニカル運動の功労者をたたえる「エキュメニカル功労賞」(日本エキュメニカル協会主催)に、日本福音ルーテル社団(JELA)が選ばれた。顕彰式は、東京・池袋の日本福音ルーテル東京池袋教会で29日午後1時半から行われる。
エキュメニカル運動とは、キリスト教の諸教派や関係団体間の交わりと協働を促進する活動のこと。日本エキュメニカル協会(松山與志雄理事長)は、4月29日を「エキュメニズムの日」と制定し、毎年この日に「エキュメニズムの日の集い」を開催している。エキュメニカル功労賞は今回で19回目となる。
JELAは1909年、「在日本アメリカ南部福音ルーテル教会ユナイテッド・シノッド宣教師社団」として設立。一貫してキリスト教主義に基づいた慈善活動を行ってきた。エキュメニカル運動としては、病気や苦しみを持つ人々にハープと歌を通して祈りを届けるプログラム「リラ・プレカリア」(祈りのたて琴)を2006年から推進してきた。研修プログラムには、教派を超えて受講者が集まり、広がりを見せている。
プログラムを発案したアメリカ福音ルーテル教会宣教師のキャロル・サック氏は、山田洋次監督の映画「おとうと」にも出演し、注目を集めた。音楽療法の一種ではなく、音楽による祈り、人間の魂の癒やしを志向する点で先駆的な取り組みと言える。病院や福祉施設などで開く公開セミナーには毎回、プログラムに関心を持つ多くの人々が集まっている。
顕彰式では、キャロル・サック氏がリア・プレカリアを実践するほか、JELA常務理事の長尾博吉氏がJELAのエキュメニカル活動について講演する。