【CJC=東京】教皇フランシスコの教皇職開始を記念するミサが3月19日バチカン(ローマ教皇庁)で行われた。サンピエトロ広場一帯は着座式を共に祝おうとする約20万人の信者で一杯になった。
ミサの前に教皇はジープで広場を一巡、時おり車を止めさせ、人々に親しく挨拶したり、子どもに接吻したりした。
ミサには130カ国以上の使節が参加した。国家元首を派遣した国は31カ国、6カ国の君主、3カ国の皇太子、11カ国の首相をはじめ、各国の閣僚や大使などが参列した。日本からは安倍晋三首相の特使として、森喜朗元首相が出席した。キリスト教各派や、ユダヤ教、イスラム教、仏教など諸宗教の代表者も多く参加した。
バチカン放送(日本語電子版)によると、ミサの説教で、教皇は「保護者・守る人」としての聖ヨゼフの召命について、神に耳を傾け、神の御旨に忠実な聖ヨゼフ、託された人を守り、出来事を読み取り、賢明な判断ができる聖ヨゼフに、神の召し出しに答えるということはどういうことかを学ぶよう、また「キリストをわたしたちの生活の中で守る」というキリスト者の召命を生きるよう、すべての信者を励ました。
教皇は「守る」という召命は、キリスト者に留まらず、人類全体に関わるものと述べ、美しい自然、自分たちが生活する環境を守り、お年寄り、子どもたち、弱い立場にある人々など、すべての人間を守ることの大切さを強調した。
「ペトロの後継者」としての任務を始めるにあたり、教皇はイエス・キリストがペトロに与えた権力とは何かと問いながら、イエスがペトロに言った「わたしの羊の世話をしなさい」という招きを示し、「真の権力とは奉仕であることを忘れてはならない」と説き、「わたしのために祈ってください」とすべての人々に願って説教を終えた。
ミサ終了後、教皇は大聖堂内で、世界各国の代表者に挨拶、一人ひとりの手を取って、親しく言葉を交わした。