【CJC=東京】新教皇フランシスコは3月23日、ローマ郊外カステルガンドルフォに滞在中のベネディクト16世名誉教皇と昼食を共にした。教皇と、存命中に退位した前教皇との会談は、これまで確認されていない。
ベネディクト16世名誉教皇は2月28日からカステルガンドルフォの離宮に居住している。教皇フランシスコはバチカンからヘリコプターでカステルガンドルフォに向かい、リコプター発着場で抱擁を交わした。
ベネディクト16世名誉教皇は教皇フランシスコが教皇であることを明確に示し、一方、フランシスコ教皇は名誉教皇を尊敬する兄弟で、同等の存在と見なしていることを明確にしたと見られる。
ヘリコプター発着場から離宮に向かう車の中で、フランシスコ教皇は通常、教皇の席とされる右側に座り、ベネディクト16世名誉教皇は左側に座った。2人が離宮の礼拝堂に入った際には、名誉教皇がフランシスコ教皇に最前列の教皇の膝つき台を勧めたが、フランシスコ教皇は断り、2人は信者席の異なる膝つき台で隣に並んで祈ったという。
バチカン(ローマ教皇庁)報道担当によると、フランシスコ教皇は名誉教皇に、「われわれは兄弟だ。ともに祈る」と語った。
バチカン・テレビは今回の会談を生中継しなかった。バチカンが今回の異例の新旧教皇会談について重要視しない姿勢を示したものと見られる。