モンスーンによる豪雨でここ50年間で最もひどいとされる洪水が発生したインド東部では、いまも水が引かず、同国で支援活動をするキリスト教諸団体が十分に活動出来ないほどの状態にある。米紙クリスチャンポストが20日、伝えた。
AFP通信が8日伝えたところによれば、洪水による犠牲者はこれまで655人に上っている。大きな被害が出ているインド東部のオリッサ州では、約50万人が避難を強いられている。インドで活動するゴスペル・フォー・アジア(GFA)などキリスト教団体も援助物資を送るなど支援に向けた準備をしているが、洪水のために足止め状態となっている。
インド当局によれば、オリッサ州の隣チャッティースガル州でも豪雨が続いているため、オリッサ州で最も大きな河川であるマハナディ川のダムを開門せざるを得ない状況にあり、ダムを開門すれば洪水の被害がさらに大きくなる可能性もある。
また、洪水による衛生状態の悪化で病気の発生が懸念されており、インドの一部の地域ではすでに病気が発生しているという報告がある。そのため、オリッサ州は、洪水による直接的な被害の対策に加え、感染症などの発生に向けた対策も進めている。
インドでは通常、雨季は6月中旬から9月まで続く。雨季が始まったばかりのこの時期にこれだけの被害が出ていることを受けてオリッサ州当局は、洪水による今後の更なる被害拡大を懸念している。