【CJC=東京】米コネチカット州ニュータウンのサンディ・フック小学校を2012年12月14日見舞った大量射殺事件の後、初めて同校児童が1月3日登校したところ、出迎えたのは「四つ足の牧師」と呼ばれる慰安犬ゴールデン・リトリバー7匹だった。
米宗教専門『RNS』通信によると、ルーテル教会ミズーリ・シノッド系の福祉団体「ルサラン・チャーチ・チャリティーズ」(LCC、本部イリノイ州アディスン)が派遣したもの。
「学校に行きたがらない児童もいると伝えられたので、『慰安犬』の話をしたところ来てほしいとのことだった。児童たちと向き合う教師にとっても慰安犬は必要だ」とLCCのティム・ヘツナー会長。
慰安犬プログラムは2008年から開始された。ハリケーン・カトリーナ救援活動の際に、被害者にとってペットの重要さを認識したという。「犬は安全だし、無条件の愛を示す。犬には人の傷を感じ取る独特の能力がある」と同会長。
現在慰安犬は60匹。6州の信徒の家庭に飼われている。ハリケーン・サンデイの救援に北東部地方に派遣され、竜巻に襲われたミズーリ州ジョプリンにも出動したほか、高齢者の家庭や学校、病院にも派遣されている。昨年、慰安犬とハンドラーの大会を初めて開催したが、活動拡大が必要という点で一致したという。
活動は、キリスト教宣教の一部でもある。「慈悲、哀れみ、そして苦難の中にある人たちにイエス・キリストの存在を伝える」ことだからだ。
犬はもちろん回心をすすめはしない。ハンドラーも活動している時は同じだとヘツナー氏。
「わたしたちは、人々にキリスト教を押しつけない。いつも人々に祈ろう、と呼び掛けるわけでもない。しかし祈りを求められたら、わたしたちはそれに応える。わたしたちがそこにいること自体が多くのことを語っている」と言う。