【CJC=東京】イスラエルとイスラム原理主義組織「ハマス」は11月21日、パレスチナ自治区のガザでの停戦に基本合意、同日夜に戦闘を停止した。1週間以上に及んだ戦闘を停止するため、米国も関与した激しい外交努力が展開された結果ではあるが、8日間に及んだ今回の衝突で、イスラエルでは少なくとも5人が死亡、パレスチナ側は160人以上が死亡する事態となった。
さらに23日には、ガザ南部のイスラエルとの境界付近でイスラエル軍兵士がガザのパレスチナ人農民に発砲、1人が死亡、10人が負傷した。停戦発効後、死者が出たのは初めてで、戦闘が全面停止したとは言えない状況。
ガザを取り巻く政治情勢は、中東の民主化要求運動「アラブの春」で激変したと言える。親欧米に立っていた各国の独裁政権が崩壊、イスラエルは周辺アラブ諸国との「仲介役」を失い、孤立を一層深めている。
来年1月に総選挙を控え、イスラエル・メディアの世論調査によると、91%は今回のガザ攻撃を支持。76%が作戦継続を求めており、ベンヤミン・ネタニヤフ政権の舵取りを難しくしている。