【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)は10月22日、予定していた枢機卿らによる使節団のシリア派遣を延期すると発表した。予断を許さない内戦の深刻さ増大を考慮したためとしている。現地では、ラフダール・ブラヒミ国連・アラブ連盟合同特別代表が仲介したバッシャール・アル=アサドアサド政権と反体制派による4日間の停戦合意が、初日から事実上崩壊した。
訪問延期発表前日の21日にも首都ダマスカスの旧市街で自動車爆弾が爆発し、少なくとも13人が死亡した。9月に教皇が訪問した隣国レバノンの首都ベイルートでも19日、自動車爆弾と見られる爆弾テロで治安担当トップらが死亡した。いずれもキリスト者が多い地域。
枢機卿使節団は、内戦で大きな被害を受けている全てのシリア国民への「連帯」を示し、武力によらない政治的な解決を求める予定だった。