プレステーション(PS)3のゲームソフト内で、銃を用いた暴力的なシーンの背景に英国のマンチェスター大聖堂が無断で使用されているとして英国国教会(聖公会)がソニーに謝罪とゲームソフトの販売停止を求めていた問題で、ソニーは6日、英紙マンチェスター・イブニングニュースに公式の謝罪を掲載した。教会側が求めていた販売中止に関しては明確な態度を示さなかった。同日、AP通信が報じた。ソニーはすでに謝罪を表明する文書を教会側に送っていたことが、先月15日の教会側の発表でわかっている。
AP通信によれば、ソニーは謝罪の中で、会社役員と教会の指導者らが協議し、ソニー側は問題となっているゲームソフト「レジスタンス―人類没落の日―(Resistance: Fall of Man)」に問題があったことを認めた。その上で、今回の謝罪をもって、この問題は終結したとした。
欧州ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のリーブス社長は謝罪文の中で、「このゲームを作成するにあたって、誰に対しても冒とくする意図はまったくなかった。気持ちを害された人には全面的に謝りたい」と述べている。
一方、マンチェスター大聖堂のロジャズ・ガベンダー大聖堂長は、「我々はソニーにゲームの販売中止を求めた」と声明で述べ、「彼らはそれを拒んだ」とソニー側の謝罪が教会の要求に対して不十分であることを伝えた。ガンベンダー大聖堂長はソニーに、銃被害の防止教育への寄付金も求めている。また、ソニーとコンピューター業界の各社に対しても祈りと礼拝の場である教会を暴力的なゲームで用いないように強く求めた。
ソニーは、これらの要求に対してはコメントを控えているが、リーブス社長は、今後ゲームソフト内で大聖堂を使用しないことを約束した。