【CJC=東京】米国の対イスラエル援助をめぐって、ユダヤ教団体とプロテスタント主流派の友好関係にひびが入っている。
「アメリカン・ジューイッシュ委員会」などユダヤ教団体が10月17日、キリスト教団体と開催して来た会合「クリスチャン=ジューイッシュ・ラウンドテーブル」に今年は出席しない、と通告した。会合は22、23の両日開催の予定だった。
問題の発端は、NCC(教会協議会)、合同メソジスト教会、長老教会(PCUSA)などが連邦議会に書簡を送り、対イスラエル援助を、同国が人権侵害している懸念があるとして再検討するよう要請したこと。米国の対外援助の対象国としてはイスラエルが最大で、大半が軍事援助。
議会へ送った書簡は、「米国のキリスト教指導者として、イスラエル政府に対する無条件財政援助の継続を問うことは倫理的責任」として、イスラエルのパレスチナ市民に対する扱いを批判している。
ユダヤ教側は、予定されていた会合に欠席する一方、キリスト教側に、書簡問題と討議し、「今後の対話の枠組みを作り直す」会合を提案している。
RNS通信によると、アメリカン・ジューイッシュ委員会宗教間担当のラビ・ノアム・マランスは、書簡を「全く脈絡のない、均衡を欠いたイスラエルを悪魔視するもの」として、「パレスチナ側の人権侵害が存在していないように見せかけているが、特に世界がイランの核の脅威に集中している時に、キリスト教指導者はイスラエルに別種の政治攻撃を仕掛けることを選んだのが問題」と指摘している。