【CJC=東京】新しい福音宣教をめぐるシノドス(世界代表司教会議)が10月7日、教皇ベネディクト16世司式のミサと共に開会した。通常シノドスの第13回に当たり、「キリスト教信仰を伝えるための新しい福音宣教」をテーマに28日までバチカン(ローマ教皇庁)で開催される。
今回のシノドスは、今年が第2バチカン公会議開幕から50周年、『カトリック教会のカテキズム』発行から20周年を迎えることを機に、教皇が「信仰年」と共に開催を希望していたもの。
バチカン放送(日本語電子版)によると、ミサの説教で教皇は「新しい福音宣教」とは何かを考察、「教会は、福音宣教のためにある」と述べ、イエスの教えに忠実に従った弟子たちが善き知らせを広めるために世界中に赴くと共に、各地にキリスト教共同体を形成し、それがやがて教会となり、様々な状況の中で毎回刷新されたダイナミズムをもって宣教活動が行なわれていった歴史を回想した。そして、現代の教会に視点を移し、第2バチカン公会議が今日の宣教に霊的・司牧的に与えた大きな躍動力を改めて認識するよう教皇は要請した。
第2バチカン公会議がもたらした新たな活力は、宣教上の二つの流れに豊かな影響を及ぼした、と教皇は指摘する。その一つは「ミッシオ・アド・ジェンティス」すなわち、キリストとその救いのメッセージをまだ知らない人々への宣教、そしてもう一つは、洗礼を受けながらも教会から遠ざかり、キリスト者としての実践を何ら伴わず生活している人々に向けた「新しい福音宣教」である、と説明した。
教皇は、今回のシノドスはこの「新しい福音宣教」を考え、これらの人々が再び主と出会うことで、人生の深遠な意味を知り、平和で満たされ、個人・家庭・社会における喜びと希望の源泉である信仰を再発見するのを助けることを目的としている、と語った。