日本基督教団は3日、教団救援対策本部第15回会議会議内容をホームページ上で公開した。8月24日に教団会議室で行われた同会議では、東日本大震災に関連する国内募金が8月15日時点で3億9,102万8,918円、海外からの献金が2億2,847万6,685円となっていることが報告された。
救援対策本部会計の報告では、同教団救援対策本部の人道支援に用いることのできる資金の残額が7月末の段階で1,671万8,135円となっており、月額約420万円の運営費の支払いにおいても10月末で底をつく状況であることが報告された。
教区報告では、奥羽教区の千厩教会(岩手県一関市)では、会堂建築に向けての資金繰りの検討をしていること、新生釜石教会(岩手県釜石市)がホームページを立ち上げたこと、教区全体修養会においてこれからの震災対応について学ぶ機会がもたれたことなどが報告された。
東北教区からは夏休み中のボランティアの状況、教会再建・復興状況(鹿島栄光教会、郡山細沼教会)や牧人会あだたら育成園の工事が完了したこと、原町教会(福島県南相馬市)からの放射線測定器購入補助申請の承認、北日本三教区共同親子短期保養プログラムが実施されたこと、福島第一原発4号炉事故を想定した緊急メール配信システムが立上げられたこと、被災者支援センターの活動などの報告がなされた。
関東教区からは、被災教会(水戸中央教会、伊勢崎教会、宇都宮教会、下館教会)の再建に向けての現況、被災地視察の計画、および会計報告がなされた。
同救援対策本部長を務める石橋秀雄氏は、被災地訪問の報告を行い、釜石の「お茶っこサロン」、石巻、笹屋敷を巡回し、地域行事に参加したり、漁業ボランティア活動を行ったしたこと、また、現地の人々と懇談してきたことが伝えられた。特に、それぞれの活動が現地の人々からの信頼を得ており、大変感謝されている様子が伝えられた。
8月11日午後2時46分には、笹屋敷から海岸に向かい、80名ほどのメンバーで祈りがささげられたという。
また札幌北光教会(札幌市中央区)では7月14日に北海道報告会が開催され、17教会から35名が参加したこと、翌15日には札幌教会(札幌市中央区)にて札幌教会関係5教会の交流会に合流し、そこでも報告会が持たれたことが伝えられた。またこの2日間に19万30円の献金が捧げられたという。札幌での献金は人道支援指定として国内募金で受理したことが報告された。
同本部に集まった国内募金からの地域支援、関係施設の支援などの人道支援のための資金不足への対応についても協議され、アジア学院(栃木県那須塩原市)への支援分として2,000万円を国内募金で立て替え払いとすること、教会関係施設職員の被災車両支援(EMSからの指定献金)分と救援活動運営費分については救援対策室会議において検討することが決められた。
また日本キリスト教協議会(NCC)のエキュメニカル震災対策室(JEDRO)を通しての申請の可能性について、教団とNCCが力を合わせることが必要であるとの意見が上げられた。また海外の教会において関心の高い放射能汚染対策の取り組みを行い、それに関わる費用の報告と申請をすべきといった意見も出された。これらの件に関しては、今後継続して検討する予定であるという。