【CJC=東京】教皇ベネディクト16世は、バチカン(ローマ教皇庁)で9月19日、水曜恒例の一般謁見を行った。その際に教皇は、14日から16日までのレバノン司牧訪問を振り返った。
中東地域の緊迫情勢の中で行われた訪問だったが、教皇は「困難な状況に直面する子らに、父として常にそばにいる」ことを伝えたく思ったと述べた。バチカン放送(日本語電子版)が報じた。
教皇は、訪問の主目的だった「中東のためのシノドス後の使徒的勧告」署名と、ベイルートのミサで行った公布、レバノン各界代表と諸宗教指導者との出会いなど、3日間のレバノン滞在を振り返った。
教皇は今回のレバノン訪問を、教会関係者にとって感動的な出来事であったと同時に、異なる宗教や共同体間の共存・協力の伝統を誇るレバノンで、未来を見据えた内容ある対話の機会でもあったと振り返り、この訪問を通して、シリアやイラクをはじめ、中東地域で続く人々の苦しみに対し励ましと平和のメッセージを表したと述べた。
教皇は、レバノンの人々がその宗教・社会的多様性の中で、真の平和に向けての新たな一歩を証しすることを希望し、訪問中の様々なメッセージが、中東における平和構築への確固とした歩みと、キリスト教徒・イスラム教徒間のさらなる理解の助けとなることを要望した。